寧日 -nenjitsu-
Material / Glass
Technique / Cast, Cold work
Year/ 2022
2022 The 9th YUUSUICHITEN, Akita City Cultural Creation Center, Akita, Japan
当たり前にあった日常が変わってしまった今、”話せないけど共に時間を共有できるお茶の場を、お菓子と共に作ることができないだろうか?”という思いからアイデアははじまりました。
大成者である千利休から、400年以上も続く茶の湯文化。お茶というのはその時代を生きている人と人の生の交流の場であり、コミュニケーションツールとなり得ます。心地よい緊張感をもたらしながら、暮らしの中でお茶を愉しむ時間を”ケのなかのハレ””生活の中での日常と非日常の往還”と捉え、同じ時間を過ごすための茶道具を制作しました。
一服の時間を「自らの心を落ち着け整える刻(とき)」とし、和菓子を盛り付け、作品と一体になった和菓子を鑑賞し、いただくまでの一連の所作を提案しています。
text and photo by Haruna Ohki
本コラボレーション作品『寧日-neijitsu-』では漆、木工、陶芸、ガラスをそれぞれメイン素材とし、4つのシリーズを展開させました。
暑い夏に涼しさを演出するための素材としてガラスは用いられるようなのですが、今回は来る冬の装いをした食籠を制作しました。
白鳥も飛来し、すでに秋田は冷え込む毎日を迎えています。雪の降り積もる景色は厳しくもどうしようもなく美しく、しんと静寂の訪れる冬のとある一刻をイメージしています。
蓋の紋様には、円満、調和、ご縁などの願いが込められた"七宝柄"を選びました。一緒に楽しむお茶の時間、そこにある御縁や繋がりが大切に守られますように、と願いを込めています。
和菓子 : sui
ほおずきようかん / ようかん製
食用ほおずきにジャスミンティーを入れた白あんのようかんを流しこんであります。