R

熱を受けて揺らぎ、貴やかにその姿を変えていくガラスからは、どこか情意や命のようなものを感じます。

 

R(曲率半径)とは曲線を局所的に円の弧、とみなしたときの円の半径を意味します。円柱のガラス棒を要素とするこの造形は、隣り合うパーツが熱で結合することで面を成し、さらに袋状に閉じることで立体へと構成されていきます。弧が連なるようにして生まれた稜線は、熱による化学変化によって有機的な、ガラス素材特有のとろみを帯びた姿へと形態変化を辿ります。

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白というニュートラルな色の中で、そこに生まれる陰影には熱の名残を感じます。光を包有し、どこか儚げに佇む現象の痕跡。

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素材が魅せる一瞬の形態や現象を捉えられるよう神経を研ぎ澄まし、ガラスの生理に呼応するように身体を動かして制作を行っています。